大学入学共通テストどう変わった? #5理科②

大学入学共通テストどう変わった? #5理科②

物理

〇問題傾向

大問数4題の出題となりました。物理の全範囲から広く出題されており、大問1は小問集合問題で力学電磁気学波動熱力学、第2問は電磁気学、第3問は波動原子物理、第4問は力学からの出題となりました。センター試験と比べ、法則を用いて計算して結論を得る問題が減少し、問題文を丁寧に読まないと状況が理解できない問題や、図やグラフから現象を読み取る問題が増加しました。

ポイントとなる問題は第3問です。ダイヤモンドとガラスの入射角のグラフを用い、全反射か部分反射かを判断する問題でした。水銀と電子は外力を受けていないので運動量は保存されますが、過程(b)では水銀原子が励起するためにエネルギーが必要なので、運動エネルギーの和は減少することを見抜けたかどうかがポイントとなります。

〇対策

物理は基本的な定義や法則を公式として覚えるだけでなく、状況や現象との結びつきも含め理解する必要があります。物理量の意味法則の意味などをよく考え、自分なりにまとめておきましょう。また、考察の過程を意識して、論理的に説明する練習をしましょう。問題文で与えられた現象の説明やグラフから必要な情報を見出し、物理法則を用いて正しく結論を導き出す力を養うために、図やグラフから何が求められているのかを読み取り、考える力をつけましょう。

化学

〇問題傾向

大問数は1題減少して5題、設問数は7つ減少して18、マーク数は3つ減少して29となりました。「化学」の後半で学習する有機・高分子化合物からの出題の配点が29点から40点に増加しました。出題形式は、第2問の「空気亜鉛電池」、「水の状態、温度とエネルギーの関係」、第3問の「シュウ酸イオンを配位子にもつ錯イオンの光化学反応」、第5問「グルコースに関するテーマ問題」のように、受験生が見慣れない出題に関して、問題文から必要な情報を読み取って解答を導く問題が複数出題されていました。

ポイントとなる問題は第5問です。グルコースの溶液内平衡、物質量の時間変化など、問題文で与えられている情報を組み合わせて考える必要がありました。グルコースをメタノールと反応させることで、α-グルコース、鎖状構造のグルコース、β-グルコースの間に成立していた平衡が阻害されることを見抜けるかどうかがポイントとなります。

〇対策

図表やグラフから必要な情報を用いて「考えて解く」といった、思考力が必要な問題も出題されましたが、従来のセンター試験と同様、教科書に載っている基本事項・知識を組み合わせて解く問題も多数出題されているので、まずは基礎を確実に身につけておきましょう。教科書やセンター試験の過去問を積極的に活用して、知識が身に着いているかを確認しながら進めましょう。基礎固めがしっかりできたら、次はそれらの知識を組み合わせて応用問題が解けるように練習を重ねましょう!複数の思考過程が要求される問題グラフを作成する問題など、解法を論理的に組み合わせて解く練習を意識しましょう。学校で行われる実験やそれらのプロセスにも着目し、しっかりと理解しておきましょう。

生物

〇問題傾向

大問数は6題でしたが選択問題がなくなりました。設問数は昨年度と比べ、26問と減少しました。知識問題が大幅に減少し、文章選択問題が増えました。また、実験考察問題の分量が多く、図表などデータ量が増え、会話形式のディスカッションの内容を読み取る問題も多くありました。

ポイントとなる問題は第5問です。根におけるクロロフィル合成と植物ホルモンを題材として、教科書で学んだ知識を基に、資料から必要なデータを収集し、課題を解決する力が必要な問題でした。問6は、緑色になった根が実際に光合成をするかどうか確かめる実験を計画させる問題でした。問7は、樹木に取りついたランの根が緑色になる仕組みを調べるために、茎と葉を除去して、その後の根の変化を経時的に測定する実験を計画する問題です。これまでのセンター試験では見られない新傾向の問題となりました。

〇対策

ただ用語を丸暗記するだけでは、大学入学共通テストに対応することはできません。用語に関わる生理現象やその仕組みについて説明できるようにしておきましょう。範囲が広いので、早めに教科書の内容を終わらせ、対策に取り掛かりましょう。大学入学共通テストの考察問題は、得点差がはっきりと表れます。内容は、実験内容を読み取る力グラフや表のデータを読み取り分析する力計算、など多岐にわたります。センター試験の過去問題、共通テストの問題をたくさん解いて、演習を積み重ねましょう。

地学

〇問題傾向

第1問は「水と地球」を題材とした問題5問、第2問は「個体地球」の小問5題、第3問は「岩石・地質分野」から6題、第4問は「大気と海洋」から小問7問。第5問は「宇宙」から6題出題されました。センター試験と比べ、用語選択問題と図選択問題が減少し、図やグラフを読み取ったうえで解答する問題計算問題が増加しました。

ポイントとなる問題は第2問です。P 波の走時曲線を扱う場合、教科書では震源の浅い地震を取り上げるため、グラフの走時は直線で近似されます。この設問では、震央距離に対して深い震源を取り上げています。その結果、グラフは直線にならず、受験生には見慣れない走時曲線になっています。グラフを読み解き、数学的な手法を活用し、探求的な思考力が問われる問題となりました。

〇対策

総合問題やレポート形式の問題といった新傾向の問題に対応するには、基礎事項の正確な理解と応用力総合力が求められます。まずは地学の内容、全体像を把握することが重要です。地学の範囲は、地球倫理プレートテクトニクス岩石・鉱物地質・地史気象天文自然環境、と多岐にわたります。各分野でどんな理論が展開されているかを把握し、図表・グラフを読み取る力観測や実験からされる考察などを一つずつ理解していきましょう。

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