大学入学共通テストどう変わった? #4 理科①

大学入学共通テストどう変わった? #4 理科①

物理基礎

〇問題傾向

2021年度初めて、解答の数値を直接マークする問題が出題されました。センター試験でこれまで出題されてきた文字式のみの計算問題は出題されず、計算問題はすべて数値計算でした。

ポイントとなる問題は第3問です。スマートフォンをセンサーとして用いた、加速度運動の実験に関する問題でした。実験データをグラフ化してスマートフォンで表示させるという、新しい手法を取り入れた設定となりました。きれいに整えられていない生のグラフを読み取り、実際の運動を洞察する力を確かめるねらいがあります。これは、これまでのセンター試験では見られなかった新傾向の形式となりました。

〇対策

近年のセンター試験でも実験や現象に関連した問題は出題されていましたが、2021年度の共通テストでは、実際に実験を行いそのデータを処理する能力まで問われるようになりました。普段から自然現象に対して興味を持って観察考察し、実験での体験や映像で目にしたことを考察し理解を深めておきましょう。

化学基礎

〇問題傾向

従来のセンター試験と比べ、リード文がやや長い設問が見られ、また、化学基礎の教科書では扱われていない初見の内容を題材に、実験結果を考察する問題が出題されました。また「グラフ」や「科学実験」に関連した問題が出題されました。

ポイントとなる問題は第2問です。吸湿剤として用いられる塩化カルシウムに空気中の水蒸気を吸収させた試料における水の含有率を、イオン交換樹脂を用いる中和滴定の実験によって求める問題でした。イオン交換樹脂は、「化学基礎」の教科書では扱われない素材ではありますが、問題文を丁寧に読むことで前提となる知識を得ることができたと思います。問 2b の問題では、水溶液の希釈を行うための実験操作を計画する必要があります。通常、水溶液の希釈の操作は、中和滴定における一連の操作の前段階として行われるので、実際に行った経験がある受験生は少なかったかもしれません。

〇対策

実験結果を考察する問題は「通常の授業を通じて身につけた知識の理解や思考力を新たな場面でも発揮できるか」を見るために出題されたものでした。

読解力が必要になる問題も増えているので、普段から化学基礎の内容に関係のある文章をたくさん読むことを意識しましょう。また、グラフの読み取り、化学実験に関連した問題にも慣れておくようにしましょう。

生物基礎

〇問題傾向

大学入学共通テストでは「思考力」「判断力」を問う問題として、資料が多用され、それらを解析する問題が出題されたため、センター試験よりも難化しました。単純に知識を問う問題は減少しました。

ポイントとなる問題は第1問です。代謝に関する知識と授業用プリントを模した資料を利用して、ピースを当てはめて正しい図を作成するという問題の流れは、今までのセンター試験には見られない新傾向の出題となりました。問われている内容自体はごく基本的なものでしたが、問題文や資料に与えられた情報を読み取る力が必要な問題となりました。

〇対策

「思考力」が求められる問題に対応するために、教科書の内容をただ暗記するだけではなく、教科書から学んだことが日常生活などでどのような役割をしているのかどのような課題があるのか、を普段から考える癖をつけましょう。30分という限られた時間の中で、考察問題にたくさん時間を割けるよう、普段から時間配分を意識した演習をしましょう。

地学基礎

〇問題傾向

思考力を問う問題が増えましたが、難しい問題はなく、これまでのセンター試験と難易度にほとんど変化はありません。地学基礎の各分野からバランスよく出題されていました。

ポイントとなる問題は第3問です。天体の明るさの測定に関する観察・実験の場面を設定し、設問文に示された条件に従って解答する探求的な設問でした。教科書には、これに類似した観察・実験の場面は設定されておらず、図、グラフ共に受験生にとっては初見のものでした。ただ、決して難解なものではなく、設問文をよく読み、設定された条件が適切に理解できれば、比較的容易に解答を導くことができたと思います。本問のような、学習によって身につけた知識・技術を活用して未知の課題を探究させる設問は、新しい傾向を言えます。

〇対策

単純な知識を問う問題は少なく、様々の分野の知識や考察力が必要となります。複雑な計算問題はありませんが、基本的な計算力も必要となってきます。特に単位の計算、比例の考え方などは、出来るまでしっかり練習しておきましょう。

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