苦手な人も多い化学の勉強法を医学部生が伝授します。
まず、なぜ化学でつまずく人が多いのでしょうか。
化学はセントラルサイエンスとも呼ばれ、大学入試を突破するには膨大な知識の暗記力、計算力と、論理的思考力、集中力をまんべんなく高いレベルにもっていくことが必要です。それゆえに、これらの力が一つでも欠けると、模試でも学校の定期テストでも思うような点数が取れず、伸び悩むのです。
ここでは暗記力・計算力・論理的思考力・集中力をそれぞれ伸ばす方法について紹介します。
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暗記力
化学に暗記力は不可欠です。しかし、暗記とは教科書の文字を暗記することではありません。
化学を伸ばしたい人にはぜひ文字ではなくビジュアルの暗記を徹底してもらいたいと思います。
例えば、多くの人がつまずく理論化学の気体の分野ですが、シャルルの法則やボイルの法則を文字の定義で覚えてもそんなに役に立ちません。法則を覚えるときには自分の頭で映像を伴って理解してほしいところです。
また、問題集の計算問題をたくさん解くことは大切ですが、問題を解く際に今自分が使おうとしている公式の根本的な理解にも時間を使うようにしましょう。根本的な理解の目安は他人に絵を描いて説明できることです。参考にしていただければと思います。
さらに、無機有機や高分子の範囲は本当に暗記勝負なところがあります。ゴロ合わせも活用しながら教科書の図や写真を覚えるつもりで勉強すると定着しやすいです。
計算力
化学の計算は本当に細かくて厄介です。そのうえ、時間もありません。計算を速くするための特効薬はありませんが、模試や学校の定期テストにおいて余白の使い方がうまい方が有利であることは言うまでもありません。たくさん失敗してもいいので、高3の直前模試までに自分なりの余白の使い方を確立しましょう。
また、有効数字の処理は市販の問題集を使うこともお勧めします。
最後に、計算力と勉強量は比例すると考えます。とにかくたくさんの問題にあたり、そのときに計算をさぼらない真面目な人が報われます。
ちなみに、モル計算が苦手な人が多いと聞いたので、モル計算のコツを伝授します。モル計算のときにはすべての値に単位をつけて「単位を処理するつもりで」計算することがポイントです。原子量ないし分子量にも仮の単位をつけるといいです。厳密にはこれらには単位がないのですが、原子量や分子量に無理矢理単位をつけるとするとg/molになります。モル計算で困っている人はぜひ試してみてください。
論理的思考力
論理的思考力はさまざまな問題にあたる中で、身につくものです。
ですから、なるべく多くのジャンルの問題を解き、ひねりがある問題にもぜひ挑戦しましょう。
また、共通テストで高得点を狙う場合は共通テストの過去問や模試を解くことに加え、難しめの二次の問題を集めた問題集を解くことを強く勧めます。特に『化学の新演習』は本当におすすめです。難しい問題も多いですが、化学の諸法則の根幹の理解を助ける良問が集まっています。これを受験期までにやりこめば共通テストも二次も怖くありません。自身の受験を振り返っても、化学の論理的思考力は育てるのに膨大な時間と労力を要します。でも逆に時間と労力をきちんとかければ必ず安定した得点源にできます。自分を信じて頑張りましょう。
集中力
これは化学に限ったことではありませんが、化学は解くときにとくに集中力を要します。長くじっくり考えることが要求されるうえ、煩雑な計算も多いですが、毎回の勉強に緊張感をもってぐっと集中する習慣をつけましょう。最初は5分からはじめて20分、30分と伸ばしていけば受験期には75分の二次試験にも対応できる集中力が身に付きます。
最後に
私自身高3の夏まで化学の点数の伸び悩みに苦しみました。だから、化学が苦手でテストが嫌だという人の気持ちはとても分かります。ですが何事も続けなければ伸びるものも伸びません。化学が今苦手だという人には化学から逃げるのではなく、正しい勉強法を自分なりに見つけてもらって諦めずに勉強に励んでもらいたいと思います。今回紹介した勉強法も少し参考にしてもらえれば嬉しいです。頑張ってください。
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また、こちらのコラムでは、生物の勉強法について解説しています。生物を選択している理系の方は是非参考にしてください。